2017年の仮想通貨バブルに乗れなかった私が、2021年にビットコインを買った理由|それでも資産の1%だけ

ビットコインやイーサリアムなど暗号資産のコインが並ぶデジタルイメージのイラスト 暗号資産

私の資産約7,900万円のうち、暗号資産は1.0%——約80万円分です。

ビットコイン、イーサリアム、ビットコインキャッシュ、ライトコイン。コインチェックとbitFlyerの口座で持っています。

「たった1%?」と思われるかもしれません。でも、この1%は私なりの結論です。2017年のバブルを何もできずに眺め、2021年にようやく買い、そして今も比率を増やさない——その理由を、投資歴18年の記録として書いておきます。

2017年、私は「買い方すら」分からなかった

2017年の仮想通貨バブルを覚えているでしょうか。ビットコインが年初の10万円台から12月には230万円を超え、「億り人」という言葉がニュースを賑わせた年です。

当時の私は投資歴9年。株もFXもやっていました。それでも仮想通貨については、それが何なのか、まったく分かりませんでした。どこで買えるのかも、口座をどう開くのかも知らない。「買わない」という判断をしたのではなく、そもそも判断の土俵に上がれていなかった——これが正直なところです。

億万長者になった人のニュースを、テレビでただ見ていました。うらやましいという気持ちより、「自分には関係のない世界の話」という感覚だったのを覚えています。

翌2018年、ビットコインは35万円まで下落しました。ピークから約85%の暴落です。買い方を知らなかったことが、結果的に私を守ったのかもしれません。

ビットコイン価格の推移(参考)

時期価格(円)出来事
2017年12月約233万円バブルのピーク。「億り人」流行
2018年12月約35万円ピークから約85%下落
2021年11月約770万円当時の史上最高値
2026年7月約1,000万円前後変動を繰り返しながら上昇
ビットコイン価格の推移グラフ。2017年12月のピーク233万円から2018年12月に35万円まで約85%下落し、2021年11月に770万円、2026年7月は約1,000万円前後
ビットコイン価格の推移(公表値をもとに自作・概算)

この表だけ見ると「持っていれば勝ち」に見えます。ただ、85%の下落を握り続けられた人がどれだけいたか。この振れ幅こそが、私が暗号資産を1%に抑えている理由でもあります。

2021年、なぜ買ったのか

私が初めて暗号資産を買ったのは2021年頃。投資歴18年の全記録で書いたとおり、この年は私の投資人生の転換点で、資産の大半を米国ETF・貴金属へ段階的に移した年です。

そしてきっかけは、金とまったく同じでした。高橋ダン氏です。氏が語っていたコモディティ投資の対象には、貴金属だけでなくビットコインも含まれていました。

ただ、今回は人の意見のまま買いたくはなかったので、自分でも暗号資産のことを調べました。そこで知ったのがS2F(ストック・トゥ・フロー)モデルです。すでに存在する量(ストック)と年間の新規供給量(フロー)の比率で資産の希少性を測る考え方で、もともと金や銀の分析に使われてきた物差しです。ビットコインは発行上限が決まっていて、半減期のたびに新規供給が絞られ、この希少性が上がっていく——「金と同じ物差しで説明できる」という点が、ちょうど金の積立を始めたばかりの私には腑に落ちました。

「株と現金だけに偏らせず、値動きの違う資産を少しずつ持つ」——この方針で資産全体を組み直す中で、暗号資産もその「少しずつ」の一つとして加えました。金の積立を始めたのと同じ流れです(純金積立を5年続けた話)。

2017年との一番の違いは、動機です。2017年に買っていたとしたら、それは「億り人になりたい」だったでしょう。2021年の私は「ポートフォリオの分散の一部」として買いました。同じ買うでも、この2つはまったく別の行為だと思っています。

「なくなってもいい金額」しか入れない

私の暗号資産のルールはひとつだけです。なくなっても生活にも資産形成にも影響しない金額しか入れない。

株や金には、私なりに価値を判断する物差しがあります。企業には利益があり、金には数千年の歴史と現物の需要がある。でも暗号資産の「適正価格」を、私は自分の頭で評価できません。分からないものは、分からないなりの金額で持つ。私の場合、それが資産の1%でした。

S2Fモデルに納得して買いはしましたが、そのモデルが今後も機能し続けるかどうかを検証する力は、私にはありません。納得と確信は別物です。だから金額は、モデルが外れても痛くない範囲に収めています。

1%でも持っていると、不思議なもので「乗り遅れる恐怖」は消えます。ビットコインが急騰するニュースを見ても、「ああ、うちの1%も上がってるな」で終わり。2017年のように蚊帳の外で眺めている感覚はもうありません。この精神的な効果は、金額以上に大きいと感じています。

金の勉強が、暗号資産への入口だった

少し補足すると、私がS2Fモデルにたどり着けたのは、その直前に金(ゴールド)の積立を始めていたからです。金の価値の根拠を調べる中で「希少性」という物差しを知り、その物差しでビットコインを見たときに、初めて自分なりに理解できた感覚がありました。

順番が逆だったら、つまり金を知らないままビットコインの解説を読んでいたら、たぶん納得できていません。新しい資産は、既に理解している資産からの橋があると腹落ちしやすい。私の場合、その橋が金でした。

取引所も2つに分けている

口座はコインチェックとbitFlyerの2つを使っています。これも「守り」の発想で、暗号資産には価格変動のほかに、取引所そのもののトラブルという別種のリスクがあるからです。ひとつの取引所に全額を置かない。株で証券会社を分けているのと同じ感覚です。

保有しているのはビットコインとイーサリアムを中心に、ビットコインキャッシュ・ライトコインを含めた4銘柄。いずれも「なくなってもいい金額」の枠内に収まっています。

5年持ってみて

2021年に買った分は、価格としては上がりました。ただ、資産全体への貢献という意味では、正直誤差の範囲です。1%は増えても減っても1%前後。

それでいいと思っています。私の資産形成のエンジンは株式・投資信託(45.7%)で、守りは現金・債券(38.6%)と金・銀(13.3%)。暗号資産はその外側にある「観察枠」です。この位置づけを変える予定は、今のところありません。

「もし2017年に買っていたら」を考えてみる

ときどき、もし2017年のバブルで買っていたらどうなっていたかを考えます。おそらく、うまくいっていません。当時の私は暗号資産が何なのかまったく理解していませんでした。理解していないものは、上がっても下がっても正しく持ち続けられません。少し上がれば利確し、暴落すれば狼狽売りして、「やっぱり怪しいものだった」と結論づけて終わっていたと思います。

なにしろ2008年の株デビューで、含み益1万円に舞い上がって即売りした人間です。理解より先にポジションを持つと何が起きるかは、身をもって知っています。だから「乗り遅れた」4年間は、私にとっては「理解が追いつくのを待った」4年間でもありました。この待ち方は投資の世界では機会損失と呼ばれますが、理解していないものを持ってしまう損失は、たぶんもっと大きいのです。

税金の話:だから私は「配当金」で買っている

暗号資産を少額に抑えているのには、もうひとつ現実的な理由があります。税金です。

暗号資産の売却益は、現在は総合課税の雑所得。給与などと合算されて課税されるため、税率は最大で55%に達します。株式の約20%(申告分離課税)と比べると、明らかに重い。FXをやめた理由も税制でしたが(FXをやめた理由)、私は投資対象を選ぶとき、この「税引き後でどうか」を必ず見るようにしています。

だから私は、暗号資産を給与や生活資金からは買いません。株の配当金などの余剰資金が入ったときに、その一部で少しずつ買う——この運用にしています。「資産運用が生んだお金の一部を、さらに実験枠に回す」という位置づけなら、税率が重くても、最悪なくなっても、本体の資産形成は揺らがないからです。

なお、この税制は変わることが決まっています。2026年3月に改正法が成立し、暗号資産の売却益は株式と同じ約20%の申告分離課税へ移行します(適用は金融商品取引法改正の施行後で、2028年からが有力とされています)。損失の3年繰越も認められる予定で、移行後は暗号資産への投資のハードルはかなり下がるはずです。私も適用が始まったら、比率の見直しを検討するかもしれません。※税制の詳細は必ず最新の公式情報をご確認ください。

1%を超えたらどうするか

暗号資産が値上がりして資産の1%を大きく超えたら、原則としてはみ出た分を売って戻すつもりです。金ETF(GLD)でやったリバランスと同じ考え方です。ただし暗号資産の場合、売れば総合課税の対象になるので、売却のタイミングは税負担とのバランスで考える必要があります。2028年に見込まれる20%の申告分離課税への移行が実現すれば、この判断はずっとやりやすくなるはずです。

「上限を決めて、超えたら戻す。税制が変われば設計も見直す」。実験枠とはいえ、扱いのルールは他の資産と同じです。

まとめ:乗り遅れたことより、分からないまま乗ることのほうが怖い

2017年に乗れなかったことを、後悔していないと言えば嘘になります。あのとき10万円分でも買えていれば——という計算を、したことがないわけではありません。

でも18年投資を続けてきて思うのは、理解していないものに大金を入れて耐えられる人はいないということです。85%の下落が来たとき、理解も信念もなく買った資産を握り続けることは、少なくとも私にはできません。だから、分からないなりの1%。これが2017年を蚊帳の外で見ていた私がたどり着いた、暗号資産との距離感です。

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※本記事は個人の投資体験の記録であり、特定の暗号資産・金融商品の売買を推奨するものではありません。暗号資産は価格変動が非常に大きい資産です。投資は自己責任でお願いします。詳しくは免責事項をご覧ください。

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