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FX歴15年。私の最大損失額は60万円です。
2024年、トラリピ(自動リピート売買)の全ポジションを解放したときに確定させた損失で、私はこれを最後にFXから撤退しました。
先に全体像を書いておくと、15年間の通算収支は+106万円。負けて退場したわけではありません。それでもやめました。理由は後半に書きますが、口座の損益画面だけを見ていると気づけない「FXの税金の構造」が、私の撤退の決め手でした。
今日は、私のFX15年のワースト損失2つと、勝ち逃げでも負け逃げでもない「計画どおりの撤退」の話をします。

ワースト2位:強制ロスカットで20万円が8万円に(2009年)
金額では2位ですが、率ではこれが最悪です。元本20万円が8万円。-60%。
2009年、リーマンショックの傷が残る相場で、私は米ドル/円のトラリピを始めたばかりでした。当時の私は資金管理という概念をほぼ持っておらず、20万円という資金に対して明らかに広すぎるレンジ、多すぎる本数を仕掛けていました。
そして相場が急変したある日──口座を開いたら、すべて終わっていました。
強制ロスカットの怖さはここです。ドラマのように「損切りするか迷う瞬間」なんてありません。証拠金維持率を割った瞬間に機械的に全部決済され、気づいたときには残高だけが減っています。私は画面の「8万円」という数字をしばらく眺めて、そのまま投資自体を1年半やめました。
このあたりの経緯はリーマンショック直後に投資を始めた話に詳しく書いています。
今振り返ると、この失敗の本質は「自動売買を放置でいいと勘違いした」ことでした。仕組みに任せるのと、見ないのとは違います。想定レンジを外れていないか、証拠金に余裕はあるか。それを確認する習慣さえあれば、少なくとも「口座を開いたら終わっていた」という事態は避けられたはずです。
ワースト1位:全ポジション解放で60万円の損失(2024年)
1年半の休止から戻ったあとの私は、ルールを2つだけ決めました。「生活資金と完全に分けた余剰資金でやる」「レバレッジを低く抑える」。このルールのおかげで、以降は年15〜30万円の利益を出せる年が続き、トラリピは15年間、私の資産形成の一角を担ってくれました。
晩年に運用していたのは、いわゆる「世界戦略」系の3ペアです。
- 豪ドル/NZドル
- ユーロ/英ポンド
- 米ドル/カナダドル
レンジ相場になりやすいクロス通貨で、コツコツ決済益を積み上げる王道の構成でした。実際、決済益は積み上がっていました。
それを2024年、すべて手じまいしました。含み損を抱えていたポジションをまとめて決済し、確定した損失が60万円。私のFX人生で最大の損失です。
ワースト2つの損失を比べると
| 2009年:強制ロスカット | 2024年:全ポジション解放 | |
|---|---|---|
| 損失額 | -12万円(20万→8万) | -60万円(最大) |
| 元本比 | -60%(最悪) | — |
| 通貨ペア | 米ドル/円 | 豪ドル/NZドル・ユーロ/英ポンド・米ドル/カナダドル |
| 性質 | 資金管理の失敗(受動的) | ポートフォリオの判断(能動的) |
2つの損失は「性質」がまったく違う
金額だけ見ると、2024年の60万円のほうが2009年の12万円より大きな失敗に見えます。でも私の中では逆です。2009年の12万円は「知らないうちに市場から強制退場させられた」受け身の損失で、2024年の60万円は「自分で決めて、自分のタイミングで確定させた」能動的な損失でした。
前者は事故で、後者は判断です。損失の重さは金額ではなく、そこに自分の意思があったかどうかで決まる。15年のFXで学んだことをひとつだけ挙げろと言われたら、私はこれを挙げます。
負けてばかりではなかった:スワップと自動売買の時代
ワースト2つの損失の間には、実は安定して稼げていた時期もあります。強制ロスカット後に学び直して再開した自動売買(トラリピ)は、2012年頃まで年15〜30万円のペースで利益を出してくれました。レンジ相場で淡々と売買を繰り返す仕組みは、チャートに張り付けない兼業投資家の私には合っていたと思います。
その後は、メキシコペソやトルコリラといった高金利通貨を低レバレッジで持ち、スワップポイント(金利差収入)を受け取る運用もやりました。2013年頃には円安の追い風もあり、FXとは別枠の外貨預金だけで年60万円ほどの差益が出た年もあります。
この高金利通貨の運用でも、2009年の教訓から「低レバレッジ・ロスカットまで距離を取る」だけは徹底していました。同じ失敗を二度やらなかったことだけは、自分を褒めていい部分だと思っています。
通算+106万円という成績は、こうした「稼げた時期」と2つの大きな損失をすべて合算した数字です。大負けを避け続けても通算ではこの程度、というのが私のFXの実態でした。
それでもやめた理由:利益に課税され、含み損は相殺されない
なぜ通算プラスなのにやめたのか。決め手は、毎年の確定申告で気づいた税金の構造でした。
FXの税金は、その年に決済して確定した利益にかかります(申告分離課税・約20%)。一方で、未決済ポジションの含み損は、決済しない限りその年の利益と相殺できません。
トラリピのようなリピート売買は、この構造と相性が悪い面があります。細かい決済益が毎年積み上がる(=毎年課税される)一方で、レンジを外れたポジションは含み損のまま口座に残り続けるからです。つまり──
「利益には毎年しっかり税金を払っているのに、口座の中では含み損が育っている」
という状態になります。決済益ベースでは勝っているように見えて、含み損と納税額まで含めた実質のリターンを計算してみると、思ったほど良くない。私の場合、15年の通算は+106万円でしたが、そこに費やした資金と時間を考えると、年平均で見れば10万円に届かない水準です。
60万円の損切りは「計画どおり」だった
だから2024年の全ポジション解放は、狼狽でも見切りでもなく、計画どおりの撤退でした。
当時の私は2021年から米国株ETFと金への分散投資を進めていて、資産全体の設計を見直している最中でした。「この資金と管理の手間を株式に向けたほうが、期待リターンは高い」──そう判断できたので、含み損の60万円を確定させて、資金ごと引き揚げました。
2009年の私は、ロスカットに「されました」。2024年の私は、自分で損を確定「しました」。同じ損失でも、この2つはまったく別物だと思っています。前者は資金管理の失敗で、後者はポートフォリオの判断です。15年かけて、ようやく後者ができるようになりました。
FXの隣で、日経先物もやめている
FXと似た理由で撤退したものに、日経225先物があります。こちらの理由はもっと単純で、手数料負けでした。売買を繰り返すほどコストが積み上がり、方向感が当たっても手元に残る利益が薄い。自分の取引頻度と技量では割に合わないと判断して、早々に撤退しました。
FXも先物も「レバレッジで小さい資金を大きく動かす」道具です。道具そのものが悪いとは思いませんが、私の性格と生活には、レバレッジのない現物の積立のほうが合っていた。15年かけてそれを確認した、とも言えます。
撤退の判断基準は、FXの税制の話と同じで「構造」です。腕前や運の問題なら改善の余地がありますが、手数料や税制のような構造的な不利は、自分の努力では変えられません。構造的に不利だと分かった時点で撤退する。この線引きを持ってからは、やめる決断で迷わなくなりました。
15年やって言えること
1. 生き残ることと、続けるべきことは別
私はFXで退場しませんでした。それは誇っていいと思っています。ただ、「生き残れている」ことと「資金効率が良い」ことは別問題でした。生き残った先で、より良い置き場所があるなら移っていい。
2. 実質リターンは「決済益−税金−含み損」で見る
口座アプリに表示される累計決済益は、税金と含み損を教えてくれません。年に一度、確定申告のタイミングで「税引き後・含み損込み」の実質リターンを計算することを、FXを続ける人にはおすすめします。私はこれで撤退を決めました。
3. 強制ロスカットは「気づいたときには終わっている」
これからFXを始める人に一つだけ伝えるなら、これです。ロスカットラインを決めるのは自分ではなく証拠金維持率です。資金に対して仕掛けが大きければ、判断の機会すら与えられません。少額・低レバレッジ・余剰資金。私が-60%の授業料で学んだことです。
まとめ
FX歴15年、最大損失60万円、通算+106万円。数字だけ見れば「勝ち逃げ」ですが、実感としては「学び逃げ」に近いです。強制ロスカットの恐怖も、コツコツ積む楽しさも、税金の重さも、一通り経験して、私は株式と金に軸足を移しました。
FXが悪いとは思いません。ただ、決済益の画面だけを見て15年続けるのと、実質リターンを計算して自分で出口を決めるのとでは、着地がだいぶ違う。この記録が、いまFXを続けるか迷っている誰かの参考になれば幸いです。
これからFXを始めてみたい方へ
私自身はポートフォリオの見直しでFXを卒業しましたが、少額から値動きに触れてみることは、資金管理やリスクの感覚を学ぶ良い経験にもなると思っています。興味のある方は、通貨ペアが豊富でスプレッドも業界最狭水準のDMM FX公式サイトへから情報をチェックしてみてください。
「これから始めるなら何に気をつければいいか」は、こちらの記事で15年分の教訓として5つにまとめています。
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※本記事は個人の投資体験の記録であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。税金については概要のみ記載しています。個別の税務は税務署または税理士にご確認ください。投資は自己責任でお願いします。詳しくは免責事項をご覧ください。


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