18年かけて「個別株からETF中心」にたどり着いた話|それでも個別株を少しだけ持ち続ける理由

複数のモニターに株価チャートを表示して分析する投資家のイメージイラスト 株式投資

私の資産約7,900万円のうち、株式・投資信託は45.7%。資産形成のエンジンです。

ただ、その中身は18年前とはまるで違います。いまの主役はVOO・VTIといった米国の指数ETFで、個別株はわずか5銘柄を「少しだけ」。

最初に買った個別株を即塩漬けにした2008年の私が、この形にたどり着くまでに18年かかりました。今日はその経緯と、それでも個別株をゼロにしない理由を書きます。

前半の18年:個別株に振り回され続けた

私の個別株デビューは2008年、リーマンショック直後です。ゼンショーとポケットカードを買い、含み益1万円で即売りし、買い直して塩漬けにする——という初心者の教科書どおりの失敗から始まりました(このときの話)。

その後も個別株との付き合いは、正直に言えば「振り回され」の連続でした。買えば下がり、売れば上がる。決算のたびにドキドキし、株価が気になって仕事中にチャートを見る。銘柄を選ぶ時間も、選んだあとに心配する時間も、積み上げるとかなりのものでした。

18年やって出た結論はシンプルです。私には、市場平均に勝ち続ける銘柄を選ぶ力はない。これは謙遜ではなく、18年分の売買記録が語る事実です。

個別株遍歴を年表で

「振り回され」の中身を、時系列で整理するとこうなります。

時期株式投資の状況
2008年ゼンショー・ポケットカードでデビュー。即売り→買い直し→塩漬け
2009〜2012年株はほぼ塩漬けのまま。運用の主力はFX(トラリピ)に
2013年頃アベノミクス相場を、株をほぼ持たずに眺める。運用はFXと外貨預金中心
2016年頃投資信託を開始。ようやく「積み立てる」という発想に
2017年資産1,000万円到達。仮想通貨バブルは静観
2021年米国ETF(VOO・VTI)へ転換。エンジンが個別株から指数へ
2024年〜新NISAの成長投資枠で米国ETFを継続購入

この表で一番反省しているのは2013年です。歴史的な上昇相場だったアベノミクス期に、私は株をほとんど持っていませんでした。2008年の個別株で懲りて、株そのものから距離を置いてしまった結果です。「個別株の失敗」と「株式投資そのもの」を混同していたのだと、今なら分かります。個別株で痛い目を見た人が株式投資ごと嫌いになってしまうのは、実はすごくもったいないことです。

最初の塩漬け株は、その後どうなったか

ちなみに2008年に塩漬けにしたゼンショー株は、そのまま数年持ち続けることになりました。ただ、悪いことばかりではありませんでした。保有している間に株主優待を2回受け取り、最終的には買値とほぼ同じか、わずかに利益が出る価格で売却できたからです。

結果だけ見れば「損をしなかった塩漬け」ですが、これは運が良かっただけだと思っています。塩漬けの間、その資金は何年も動かせませんでした。もしその間に他の投資機会があっても、使える資金は減っていたわけです。損失が出なくても、資金と時間が拘束されること自体が塩漬けのコストなのだと、この経験から学びました。

この「拘束されない」ことも、指数ETF中心に移した理由のひとつです。指数なら個別企業の業績を理由に塩漬けになることがなく、売る・売らないの判断がポートフォリオ全体の配分の話だけで済みます。

2021年、エンジンを指数に載せ替えた

転機は2021年。資産全体を見直し、米国ETF・貴金属へ段階的にシフトした年です(投資歴18年の全記録)。

株式のコアはVOO(S&P500)とVTI(全米株式)にしました。新NISAの枠も、成長投資枠で米国ETFを買っています。

指数に任せて一番変わったのは、リターン以上に心の消耗です。指数は「アメリカ経済全体」を買うようなものなので、個別企業の決算に一喜一憂する必要がありません。2024年8月の歴史的暴落で一晩850万円減ったときも売らずに済んだのは(その日の記録)、中身が「潰れない何百社のまとまり」だという安心感が大きかったと思います。

それでも個別株を「少しだけ」持ち続ける理由

いま持っている個別株は5銘柄です。

  • INPEX(エネルギー枠として)
  • 三菱商事・住友商事
  • アップル
  • スペースX(SPCX)——2026年6月のIPOに当選して、3株だけ

商社株を買ったきっかけは、正直に書くとバフェットです。バークシャー・ハサウェイが日本の5大商社株を買い増ししているのを見て、「世界一の投資家が長期で持つと言っている会社なら」と私も乗りました。自分の分析ではなく他人の判断に乗った買い方なので、金額は控えめにしています。

スペースXは、史上最大と言われたIPOのお祭りに「参加してみたかった」が本音です。当選したのは3株。増やす予定は今のところありません。

株式投資のコア・サテライト構成図。コアは米国指数ETF(VOO・VTI)と新NISA、サテライトは個別株5銘柄、実験枠として暗号資産を資産の1%まで
私の株式投資の構成(自作図)

つまり私にとっての個別株は、リターンの主役ではなく投資の楽しみと、相場との接点です。個別株を少しでも持っていると、経済ニュースを見る目がまるで変わります。決算を読み、事業を調べ、世界の動きを追う——この「学びのための授業料」としての個別株は、指数投資だけでは得られないものだと思っています。

「痛くない量」はどうやって決めるか

個別株5銘柄は、合計しても資産全体から見ればごく小さな割合です。私の目安は「その銘柄がゼロになったと想像して、夜眠れるか」。スペースXが3株だけなのも、暗号資産を資産の1%(約80万円)までと決めているのも、すべて同じ物差しです。

ポイントは、金額を先に決めてから買うことだと思っています。「いくら儲かりそうか」から入ると、金額はいくらでも膨らみます。「いくらまでなら失ってもいいか」から入ると、自然と上限が決まる。2008年の私は前者の発想で買って塩漬けを作り、今の私は後者でしか買いません。

新NISAは「成長投資枠で米国ETF」に一本化

新NISAの成長投資枠は、個別株ではなく米国ETFの購入に充てています。非課税枠は「一番長く持つ確信があるもの」に使うのが効率的だと考えているからです。個別株は前述のとおり楽しみ枠なので、いつ売るかわかりません。いつ売るかわからないものに非課税の枠を使うのはもったいない、という整理です。

口座も「役割」で分けている

銘柄の役割分担とあわせて、口座も使い分けています。長期のコア(米国ETF・新NISA・貴金属の積立)はメインのSBI証券に集約し、中短期の取引は楽天証券で行って、こちらは年末にポジションを整理するルールにしています。長期と短期を同じ口座で混ぜないことで、「長期のつもりで買った株を、短期の値動きにつられて手放す」というブレを防いでいます。使っている口座の全体像は投資歴18年の私が実際に使っている証券会社・口座 全一覧にまとめています。

2008年の塩漬け事件も、振り返れば「優待目当ての長期のつもり」と「含み益が出たら売りたい短期の気持ち」が同じ銘柄の中で混ざっていたことが原因でした。買う前に「これはどっちの買い物か」を決めて、置き場所まで分ける。地味ですが、18年で身につけた再発防止策です。

私なりのルール:コアは指数、個別株は「痛くない量」

この持ち方には、暗号資産の1%ルール(この話)と同じ発想が流れています。

  • 資産形成のエンジン(コア)は指数ETFと投資信託に任せる
  • 個別株(サテライト)は、ゼロになっても資産計画が揺らがない量に抑える
  • 「他人の判断に乗った買い」ほど、金額を小さくする

18年前の私は、この逆をやっていました。虎の子の資金で個別株を買い、値動きに振り回され、退場しかけた。順番が逆だったんです。土台を先に固めて、遊びはその上で。18年かけて、ようやくこの順番になりました。

このルールのいいところは、相場の状況に関係なく機能することです。強気相場では「個別株の上限」がブレーキになり、暴落時には「コアは指数だから戻る」という信頼が支えになる。ルール自体はたった3行ですが、18年分の失敗が詰まっています。

指数に任せて増えた「何もしない時間」

個別株中心だった頃は、銘柄探しと保有株の心配にかなりの時間を使っていました。指数ETFに載せ替えてからは、その時間がほぼゼロになっています。毎月やるのは資産記録の更新くらいで、これは18年続けている習慣です。

浮いた時間と精神的な余裕は、暴落時の判断力として返ってきました。2024年8月の暴落で何もせずに済んだのは、ポジションの中身を細かく心配する必要がない構成だったから、というのが実感です。兼業投資家にとって「手間がかからないこと」は、リターンと同じくらい重要な性能だと思います。

「個別株をやめられない」への私の答え

ここまで読んで「理屈は分かるけれど、個別株を買うのはやめられない」と感じた方もいると思います。私の答えは、やめる必要はない、です。私自身、18年経った今も5銘柄持っています。

大事なのはやめることではなく、資産形成の本体と切り離すことでした。エンジンが指数で回っていれば、個別株が多少転んでも計画は狂いません。逆にエンジンまで個別株にすると、2008年の私のように、ひとつの塩漬けが投資人生全体を止めてしまいます。

まとめ:個別株は「やめる」ものではなく「量を決める」もの

「個別株とETFどっちがいいか」という議論をよく見かけますが、18年やった私の答えは「どっちか」ではありませんでした。エンジンは指数、楽しみは個別株、比率は自分の心臓の強さと相談。これが、塩漬けから始まった私の株式投資が18年目に落ち着いた形です。

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※本記事は個人の投資体験の記録であり、特定の銘柄・金融商品の売買を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。詳しくは免責事項をご覧ください。

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