投資歴18年で一番後悔している判断|ETF3本で分散したつもりだった話

投資歴18年で一番の後悔 ETF3本で分散したつもりだった話 失敗談と教訓

「投資歴18年で、一番後悔している判断は何ですか」

そう聞かれたら、答えは決まっています。ただ、その答えはいちばん損した取引ではありません。

私が一番後悔しているのは、金額でいえば1円も損していない判断です。損切りもしていませんし、含み損を抱えたわけでもありません。それなのに、18年でいちばん悔しい判断はこれだと思っています。

順番に書きます。

この記事の要点

  • 一番の後悔は、高配当ETFを3本買っていたこと。金額の損はほぼ出ていない
  • 原因は「配当利回りに釣られた」ことではなく、証券会社の人気ランキングをそのまま買っていたこと
  • VYM・VIG・HDVの3本を持って、分散しているつもりだった
  • YouTubeで高橋ダンさんの動画を見て前提が崩れ、その場でETFReplayでVOOと比較した
  • いまは株式をVOOとQQQの2本に絞り、分散は債券・ゴールド・ビットコイン・XLEという別の資産で取っている

損した金額で並べると、一番の後悔は入ってこない

先に、実際に損した順に並べてみます。

2024年8月5日の暴落では、一晩で資産が850万円減りました。金額としては断トツです。ただしこれは含み損で、私はその日何もしていません。翌年には戻りました。

実際に消えた金額でいえば、FXの最大損失60万円が一番大きい部類です。ただしFXは15年やって通算では+106万円で終わっているので、これ単体を後悔とは呼びにくい。

いちばん「失敗した」と言える出来事は、2009年に20万円が2週間で8万円になったトラリピです。トラップ間隔が狭すぎるまま入金して、証拠金維持率の試算を一度もしていませんでした。12万円が消えて、そのあと相場から1年半離れました。

どれも痛かったです。でも、一番の後悔はこの中にありません。

一番後悔しているのは、高配当ETFを3本買ったこと

2021年、私は高配当ETFのVYMを50万円ほど買いました。同じ時期にHDVとVIGも買い増しています。

結果だけ言えば、この3本は気づいた時点で早めに売って、VOOに乗り換えました。乗り換えの手数料の分だけ目減りしましたが、大きな含み損を抱えるようなことにはなっていません。金額の被害という意味では、ほとんどゼロです。

それでもこれが一番の後悔です。理由は、失ったものが金額ではなかったからです。

なぜそうなったのか:自分で選んでいなかった

いま振り返って一番こたえるのは、なぜその3本を買ったのかという理由のほうです。

当時の私は、証券会社のETF人気ランキングをそのまま買っていました。

ランキングの上位に並んでいるものは、多くの人が買っているのだから良いものだろう。そういう受け取り方をしていました。VYMもVIGもHDVも、その並びの中にありました。配当利回りが高いことは魅力的に見えましたが、正直に書くと、利回りを自分で比較して選んだわけでもありません。上に出ていたから買った、というのが実際のところです。

自分では銘柄を選んでいるつもりでした。証券会社の画面を開いて、自分の意思でクリックしているのだから、選んでいるはずだと思っていた。でも実際には選ばされていただけでした。

ここが、トラリピの失敗と決定的に違うところです。トラリピは、間違えたことがはっきりしていました。トラップ間隔が狭すぎた。だから次は証拠金を厚くして、シミュレーションで維持率を確認してから入金するようになりました。失敗の中身が分かっていたので、次に活かせたんです。

高配当ETFのほうは、そもそも間違えていることに気づいていませんでした。

3本持てば分散になると思っていた

もうひとつ、当時の私が信じていたことがあります。

3本に分けて買っているのだから、分散できている。

1本に集中させるより、複数に分けたほうが安全なはずだ。ETFという商品自体が「詰め合わせ」なのだから、その詰め合わせを3種類持てば、さらに広く分散したことになる。そう考えていました。

投資を始めてからずっと個別株からETF中心に移してきた流れの中で、この考え方は自分にとって自然でした。本数を増やせば増やすほど安全になっていく感覚があったんです。

いま振り返ると、2021年は私が持ち物をいちばん増やした年でした。金・銀・プラチナの積立を始めたのもこの年ですし、初めてビットコインを買ったのもこの年です。高配当ETFの3本も、その流れの中にありました。

ただ、増やしたもののうち、貴金属とビットコインは株式とは値動きの理由が違うものでした。結果として、こちらは分散として機能しています。同じ年に始めたのに、高配当ETFの3本だけが違いました。すでに持っている株式と、同じ箱の中で本数が増えただけだったからです。

当時の私には、この区別がついていませんでした。買い足したものはすべて等しく「分散」に見えていました。

その前提が、ある日ひっくり返りました。

高橋ダンさんの動画で、前提が崩れた

きっかけはYouTubeでした。高橋ダンさんの動画を見ていて、こういう趣旨の話が出てきました。

似たようなETFを何本も持っても、分散にはならない。

聞いた瞬間、自分の口座のことだと思いました。VYM、VIG、HDV。3本とも米国の大型株から配当を軸に選んだETFです。並べて持っていれば違うものを持っている気になりますが、そもそも似た性格の商品を3つ持っているだけかもしれない。

そこで、その場でETFReplayを開きました。VOOとトータルリターンを比較するためです。

結果は、成長率が全然違いました。

配当が課税される分だけトータルリターンで不利になる、という理屈は別の記事に書いたとおりです。ただ、そのときに私がこたえたのは数字の差そのものより、その差を確かめる方法が最初からあったのに、一度も見ていなかったことでした。ETFReplayは誰でも使えます。買う前に比べることはできたんです。

損していないのに、なぜ一番の後悔なのか

ここまで書いてきて、自分でも整理がついてきました。

損した取引には、いくら失ったかという数字があります。数字がある失敗は、原因を特定して次に持ち越せます。2009年のトラリピは12万円で済んで、そのかわり「試算せずに入金しない」というルールが残りました。FXの60万円も同じで、あれがあったから最終的にFXから撤退する判断ができました。払った授業料に対して、持ち帰ったものがあります。

高配当ETFのほうは逆です。金額は失っていないのに、持ち帰れるものが何もありませんでした。気づかなければ、そのまま何年も持ち続けていたはずです。動画をたまたま見なければ、いまも「3本持っているから分散できている」と思っていた可能性が高い。

失敗して学ぶことはできます。でも、失敗していることに気づけない状態は、学びようがありません。18年でいちばん怖かったのはそこでした。

しかも、この間違え方は損失として画面に出てきません。含み損が出ていれば嫌でも目に入りますが、じわじわ差が開いているだけの状態は、口座を見ても分かりません。投資から距離を置きたくなった瞬間のように、はっきり嫌になる場面もない。気づかせてくれるものが何もないんです。

いまは、分散のしかたを変えました

それ以来、私のやり方は変わりました。

株式は、VOOとQQQの2本だけです。

昔の私なら、2本しかないのは分散が足りないと感じたはずです。でもいまは逆に考えています。同じ株式という箱の中で本数を増やしても、分散の役割は増えない。だったらシンプルにしたほうがいい。

そのうえで、分散は別の箱でとっています。債券、ゴールド、ビットコイン、XLE。値動きの理由がそれぞれ違うものを持つ、という形です。現在のポートフォリオはこの考え方でできています。

整理すると、こういう変化でした。

 2021年までいま
選び方証券会社の人気ランキング自分で比べてから決める
分散の考え方本数を増やす資産クラスを分ける
株式の本数VYM・VIG・HDVなど複数VOOとQQQの2本
分散の中身すべて米国の配当系株式債券・ゴールド・ビットコイン・XLE

本数は減りました。それでも、いまのほうが分散できていると思っています。

なお、高配当ETF自体が悪いものだとは思っていません。別の記事にも書きましたが、給与収入がなくなる局面では高配当型のほうが合っていると考えています。私の場合は、会社員として給料をもらっている時期に、その必要のない持ち方をしていたというだけの話です。

まとめ:分散は本数ではなかった

  1. 18年で一番後悔しているのは、金額の損がほぼ出ていない判断だった
  2. 原因は利回りに釣られたことではなく、証券会社の人気ランキングをそのまま買っていたこと
  3. 3本に分けて持てば分散になると思っていたが、中身の性格が似ていれば本数は関係なかった
  4. 損した失敗は原因が分かるので次に活きる。気づけない失敗は学びようがない
  5. いまは株式をVOOとQQQに絞り、分散は債券・ゴールド・ビットコイン・XLEで取っている

もし18年前の自分に一言だけ渡せるなら、「利回りを見る前に、いま持っているものと中身が被っていないか確かめろ」と言うと思います。金額の話ではなく、確かめる習慣を先に持っておけということです。

私がそれに気づいたのは、投資を始めてからずいぶん経ってからでした。しかも気づけたのはたまたま動画を見たからで、自力でたどり着いたわけではありません。そこも含めて、これが一番の後悔です。

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※本記事は私個人の記録と考えであり、特定の金融商品の購入を勧めるものではありません。ETFの選び方や分散の考え方は人によって異なり、私のやり方が正しいと主張するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

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