Amazonせどり月商100万円を入院で手放した話|副業と体の資本

Amazonせどり月商100万円を入院で手放した話 失敗談と教訓

投資の話ばかり書いてきましたが、実は私には副業をやっていた時期があります。Amazonでの物販、いわゆる「せどり」です。2016年頃に始めて、最終的には月商100万円・利益30万円ほどまで育ちました。そして、この副業は自分の意思で終わらせたわけではありません。入院をきっかけに、手放さざるを得なくなりました。

今日はこの話を書きます。投資の記事としては少し毛色が違いますが、「お金を増やす手段」と「それを実行する自分の体」の関係について、私が18年の中で一番強く実感した出来事だからです。

この記事の要点

  • 副業のAmazonせどりを月商100万円・利益30万円まで育てた
  • 入院ですべてが止まり、そのまま手放した
  • 「自分が動けないと止まる収入」の怖さを知り、仕組みで回る資産形成へ軸足を移した

始めたきっかけ:投資信託と同じ時期に

2016年頃、私は投資信託への積立を始めると同時に、Amazonでの物販も始めました。当時の私は、株とFX以外にも収入の柱を増やしたいと考えていた時期です。投資は元手を増やすまでに時間がかかりますが、物販であれば自分の時間と労力を直接お金に変えられる。そういう発想で手をつけました。

最初は小さな規模でした。仕入れて、出品して、売れたら発送する。地道な作業の繰り返しです。それでも続けるうちに扱う商品や量が増え、気づけば月商100万円、利益にして月30万円ほどが安定して出るところまで育っていました。給料以外にこれだけの収入が入ってくる状態は、当時の私にとって大きな自信になっていたと思います。仕事から帰ってからの時間や休日を注ぎ込んだ結果ではありましたが、それでも「自分の工夫と努力が数字に直結する」という感覚は、投資にはない独特のやりがいがありました。

なぜ「せどり」だったのか

数ある副業の中でなぜ物販を選んだのか、今振り返ると、投資の延長線上にあった選択だったと思います。仕入れた商品をいくらで売れば利益が出るか、どのくらいの数を仕入れれば資金効率がいいか。これは株の売買判断と根っこの部分でよく似ています。「安く仕入れて高く売る」という原理は同じで、対象が株式か商品かの違いだけです。

また、当時の私は2008年の投資デビュー以来、なかなか大きく資産を増やせずにいました。1,000万円に到達するまで9年かかったことからも分かるとおり、前半の投資成績はお世辞にも派手なものではありませんでした。そこで「投資だけに頼らず、自分の労働力で直接収入を増やす手段」として物販に目を向けたというのが、正直な動機です。

順調に見えた副業の裏側

ただ、正直に振り返ると、この月商100万円は「仕組み」で稼いでいたものではありませんでした。仕入れ、出品作業、梱包、発送、在庫管理。そのほとんどが自分の手と時間で回っている状態です。投資信託やETFの積立が「仕組みが自動で働いてくれる」タイプの資産形成だとすれば、せどりは「自分が働き続ける限りは稼げる」タイプの副業でした。

この違いに、当時の私はあまり自覚的ではありませんでした。月30万円という数字だけを見て、順調だと思っていました。自分が止まったらこの収入も止まる、という前提には、あまり目を向けていなかったと思います。

会社員としての給料も、突き詰めれば「自分が働くことで得ている収入」という意味では同じ構造です。ただ、給料は多少体調を崩して数日休んでも支給が止まることはありません。有給休暇や傷病手当のような仕組みが、労働力の一時的な停止をある程度吸収してくれます。個人で完結する副業には、そうした緩衝材がありませんでした。この違いに気づいたのは、副業をやっている最中ではなく、止まってからのことです。

収入が増えるにつれて、生活水準もそれに合わせて緩やかに上がっていました。月30万円が「あって当たり前」の感覚に近づいていたのも、今思えば危うい兆候だったのかもしれません。

いとこん
いとこん

毎月振り込まれる数字に慣れてしまうと、それがどれだけ自分の体力の上に成り立っているか、見えなくなるんですよね。

入院という「想定していなかった終わり方」

この副業を終わらせたのは、市場の変化でも競合の増加でもなく、私自身の入院でした。詳しい事情はここでは伏せますが、体調を崩して入院することになり、当然ながら仕入れも出品も発送も、すべて止まりました。

入院している間、在庫は動かず、月30万円あった利益はゼロになりました。退院後、体力と気力が戻るのを待ってから再開を考えましたが、結局そのまま手放すことを選びました。一度止まった作業のペースを取り戻すことより、無理のない範囲で続けられる別のやり方を選んだ方がいいと判断したからです。

正直に言うと、再開しようと思えばできたのかもしれません。それでも手放したのは、入院という経験を通して「これは自分の健康と引き換えに得ていた収入だったのではないか」という疑問が、頭から離れなくなったからです。金額の大きさより、その収入の性質そのものに対する見方が変わってしまった、というほうが正確だと思います。

手放してから分かったこと:時間と体は資産の一部

この経験から学んだのは、「自分が動けなくなったら止まる収入源」には、株式や投資信託とは違うリスクがあるということです。株価が暴落しても、私が入院していようが寝ていようが、資産は勝手に存在し続けます。でも、せどりの利益は、私が仕入れて出品して発送するという行為そのものの上に成り立っていました。私という労働力が資本そのものだったわけです。

健康なときは、この違いを意識することはあまりありません。私も月30万円の利益を、株の含み益と同じような感覚で見ていた気がします。でも入院という形で、自分の体が資本のひとつであり、しかも保証のない資本だということを、身をもって知りました。

いとこん
いとこん

病室のベッドで、止まった在庫のことを考えていたときの感覚は今も覚えています。お金より先に、自分の体をちゃんと資産として扱うべきだったと思いました。

ちょうど同じ頃、投資は静かに積み上がっていた

興味深いのは、せどりで一喜一憂していたのと同じ時期に、投資信託の積立は淡々と続いていたことです。せどりを手放した後も、この積立はまったく影響を受けませんでした。仕入れも出品も発送も何もしていないのに、口座の中では毎月同じ額が買い付けられ続けている。この対比を目の当たりにしたことは、資産形成における「自動化」の価値を、理屈ではなく実感として理解するきっかけになりました。

2017年、資産が約1,000万円に到達した頃は、ちょうどせどりの利益が上積みされていた時期とも重なります。ただ、その後せどりを手放しても資産の増加が止まらなかったのは、給料からの入金と、静かに積み上がっていた投資信託の存在があったからです。派手な副業が終わっても、地味な積立は止まらない。この非対称性に助けられたと思っています。

今の投資スタイルへの影響:手間のかからない運用へ

この経験は、その後の私の投資の組み立て方に、静かに影響を与え続けています。2021年に米国ETFへの分散投資を本格化させたときの動機のひとつも、実はここにあります。ETFや投資信託の積立は、私が体調を崩して何もできない状態になっても、勝手に積み立てられ、勝手に市場で運用され続けます。自分の労働力に依存しない資産形成の比率を上げることは、あのせどりの経験がなければ、ここまで強く意識しなかったかもしれません。

個別株を「痛くない量」に抑えているのも、根っこは同じです。自分が細かく管理し続けなければいけない資産は、管理者である自分が倒れたときに一番弱くなる。だから資産形成の主力は、放っておいても回り続ける仕組みに任せる。せどりで得た教訓は、投資の記事ではあまり語られない角度から、今の私のポートフォリオに影響を与えています。

「体が資本」という言葉の重さ

「体が資本」という言葉は、社会人になってから何度も聞いてきました。ただ、健康なうちはどうしても他人事のように聞こえてしまいます。私自身、入院するまでは、この言葉を投資の文脈で真剣に考えたことはありませんでした。

投資の世界では、リスク分散、生活防衛資金、レバレッジ管理など、お金についてのリスク管理は数え切れないほど語られます。一方で「自分の労働力や健康というリスク資産」については、驚くほど話題にされません。せどりの経験は、私にとってこの盲点に気づかせてくれた出来事でした。今では、収入源を検討するとき、金額や利回りだけでなく「これは自分が動けなくなったらどうなるか」を必ず考えるようにしています。

後悔しているか、と聞かれたら

せどりをやめたことを後悔しているかと聞かれると、答えは「ノー」です。月30万円という収入は魅力的でしたが、それは自分の体を担保に稼いでいた収入でもありました。入院という形で強制的に立ち止まらされたのは辛い経験でしたが、結果として「自分が働けなくても機能する資産形成」に目を向けるきっかけになったのは事実です。

もし今、副業として物販や労働集約型のビジネスをやっている方がいたら、伝えたいのはひとつだけです。それがうまくいっているときほど、「自分が動けなくなったらどうなるか」を一度考えてみてほしい。答えが出なくてもいい。考えておくことと、考えたことがないことの差は、いざというときに大きく出ると思います。私自身、答えを持たないまま入院を迎えて、初めてこの問いの重さを知りました。

まとめ

月商100万円・利益30万円まで育てたAmazonせどりは、入院をきっかけに手放すことになりました。この経験は、私にとって単なる副業の失敗談ではなく、「自分の労働力に依存する収入」と「仕組みで回る収入」の違いを実感した出来事です。今、資産形成の主力を米国ETFや投資信託の積立に置いているのは、あの入院がなければ、もっと後になっていたかもしれません。

お金を増やす方法はたくさんありますが、それを実行し続けるのは結局のところ自分の心と体です。副業でも投資でも、続けられることが一番の資産だと、今は思っています。

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この記事を書いた人

いとこん(@itoconn_oj3)。2008年、リーマンショックの年に100万円で投資を開始。翌年にはFXの強制ロスカットで元本の6割を失い、1年半投資から離れたことも。それでも退場しなかった結果、18年で資産は約7,900万円になりました。

プロフィール 投資歴18年の全記録

※本記事は個人の体験の記録であり、特定の副業や投資手法を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。詳しくは免責事項をご覧ください。

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