暗号資産の20%分離課税はいつから?|税率最大55%の今、私が買い増しを我慢している理由

暗号資産の20%分離課税はいつから? 暗号資産

2026年7月15日、改正金融商品取引法が参議院で可決・成立しました。これで、暗号資産の売却益にかかる税金が現在の総合課税(最大55%)から株式と同じ20%の申告分離課税へ移行することが、いよいよ現実の日程に乗りました。

私は投資歴18年の兼業投資家で、資産の1%だけビットコインなどの暗号資産を保有しています。そして正直に言うと、この数年「買い増したいのに、税金のことを考えると手が止まる」状態が続いていました。今日はその話を書きます。

この記事の要点

  • 暗号資産の利益は今は総合課税で、税率は住民税込み最大55%
  • 20%の分離課税が適用されるのは2028年1月1日からが有力(2026年7月に法律は成立済み)
  • 私は税率が重いため「配当金の余剰資金で少しずつ」に留めており、本格的な比率見直しは移行後に考える方針

暗号資産の税金はなぜ「最大55%」なのか?

株式や投資信託の売却益・配当には、20.315%の申告分離課税が適用されます。利益がいくら大きくても税率は一定です。

ところが暗号資産の売却益は、現在は雑所得として総合課税の扱いです。給与など他の所得と合算され、所得が大きいほど税率が上がる累進課税で、所得税と住民税を合わせると最大55%に達します。

株式・投資信託暗号資産(現在)
課税方式申告分離課税総合課税(雑所得)
税率一律20.315%累進で最大55%
損失の繰越控除3年間可能不可

税率だけではありません。株なら損した年の損失を翌年以降3年間の利益と相殺できますが、暗号資産にはこの繰越控除がありません。利益が出た年にはしっかり課税され、損した年の損失は救済されない。FXをやめた理由でも書いた「課税の非対称性」と同じ構造が、暗号資産にはより強い形で存在しています。

いとこん
いとこん

株なら20%で済む利益が、暗号資産だと最大55%。同じ「投資の利益」なのに、この差はやっぱり大きいです。

2017年に飛びついていたら、むしろ危なかったかもしれない

私は2017年の仮想通貨バブルを完全に傍観していました。当時は仮想通貨が何なのかもよく分かっておらず、億り人のニュースを眺めていただけで、買い方すら知りませんでした。長いあいだ「乗り遅れた」と思っていた出来事です。

でも税金のことを知った今は、少し見方が変わりました。仮にあのとき知識のないまま飛びつき、運よく大きな利益が出ていたとしても、総合課税の仕組みを知らずに利確して、翌年の納税で青ざめていた可能性が高いからです。実際、2017年のバブル後には「利確したが納税資金が残っていない」という失敗談が数多く報じられました。値上がり益の話題の裏で、税金の知識がない参加者ほど深い傷を負う構造があったわけです。

「買い方も知らなかったから買わなかった」という当時の私の消極的な理由は、結果的に「税金を知らないまま買わずに済んだ」という防御にもなっていました。もちろんただの結果論ですが、新しい資産に手を出すときは、買い方より先に「売ったとき・儲かったときに何が起きるか」を調べるべきだという教訓として、私の中に残っています。

20%の分離課税はいつから始まるのか?

結論から言うと、2028年1月1日からの適用が有力です。ここに至る経緯を時系列で整理しておきます。

  • 2025年12月:令和8年度税制改正大綱で、暗号資産への20%申告分離課税の導入と、3年間の損失繰越控除の創設が決定
  • 2026年3月31日:改正所得税法が成立
  • 2026年7月15日:改正金融商品取引法が参議院で可決・成立
  • 2028年1月1日(有力):金商法改正の施行の翌年1月1日から分離課税を適用

注意したいのは、20%の対象になるのは国内の暗号資産交換業者を通じて取引される特定の暗号資産に限られる見込みという点です。ビットコインやイーサリアムのような主要銘柄は対象になる見通しですが、海外取引所での取引などは対象外になる可能性があります。「一律で全部20%になる」と思い込むのは危険です。

私自身はコインチェックとbitFlyerという国内の取引所2つでビットコイン・イーサリアム・ビットコインキャッシュ・ライトコインを保有しているので、おそらく新税制の恩恵を受けられる立場です。

なぜ私は「配当金の余剰資金だけ」で買っているのか?

私の暗号資産の買い方は、少し変わっているかもしれません。株の配当金などの余剰資金が入ったときに、その一部で少しずつ買う。毎月の積立でもなく、まとまった一括投資でもありません。

理由のひとつは、以前から書いているとおり「なくなってもいい金額」を資産の1%(約80万円)と決めているからです。でももうひとつ、正直な理由があります。最大55%の税率を考えると、大きな金額を入れる気になれなかったのです。

仮に大きく値上がりしても、利確した瞬間に利益の半分近くが税金で消える可能性がある。それなら、株の利益(20%課税で確定した後のお金)から「消えてもいい分だけ」回すのが、私の中では一番納得感のある折り合いでした。

いとこん
いとこん

「税引後の配当金で買う」なら、最悪ゼロになっても本業の資産形成は無傷。これが私なりの落としどころでした。

「2028年まで待つ」は投資判断として正しいのか?

ここは自分でも何度も考えたところなので、正直に書きます。

「税率が下がるまで買い増しを待つ」という判断には、明確な弱点があります。待っている間に価格が上がってしまえば、税率の差など簡単に吹き飛ぶからです。2021年に私がビットコインを買ったときも「もう高い」と言われていましたが、そこから価格は大きく上がりました。税金を理由に投資機会を逃すのは、本末転倒になり得ます。

それでも私が「本格的な買い増しは移行後」と決めているのは、税率そのものよりも損失繰越控除の有無が大きいからです。暗号資産はボラティリティが大きく、大きな含み損を抱える年が普通にあり得ます。損した年の損失が翌年以降に活かせない現行制度のままでは、値動きの荒い資産に大きな金額を入れる気になれません。3年繰越が使えるようになれば、この非対称性はかなり解消されます。

つまり私にとって2028年の変化は「税金が安くなる」以上に、「負けたときのルールがまともになる」ことに意味があります。

もうひとつ付け加えると、総合課税には「合算される」こと自体の重みもあります。暗号資産の利益は給与などと合算されて課税所得を押し上げるため、利益の大きさによっては暗号資産以外の部分の税負担にまで影響します。兼業投資家として給与所得がある私にとって、これは単純な税率の数字以上に気になるポイントでした。分離課税になれば、暗号資産の損益は他の所得から切り離されて完結します。

2028年になったら、私はどうするつもりか?

現時点で決めているのは「資産に占める暗号資産の比率を見直すことを検討する」ところまでです。1%をどこまで上げるか、具体的な数字はまだ決めていません。

ビットコインを買った理由は、金の積立で学んだ「希少性」という物差しがビットコインにも当てはまると納得できたからでした。その考えは今も変わっていません。ただ、金には数千年の実績があり、ビットコインにはまだ20年弱の歴史しかない。だから比率を上げるとしても、金・銀の13%と同じレベルまで引き上げることは、おそらくないと思います。

税制が変わるからと言って、資産の性質が変わるわけではない。上げるとしても「実験枠」から「サテライトの一角」への昇格くらいが、私にとっての現実的な範囲だろうと考えています。

もうひとつ、新税制の対象が「国内の暗号資産交換業者経由の取引」に限られる見込みである点は、取引所選びにも影響します。私はコインチェックとbitFlyerという国内2社だけで取引してきましたが、この体制は2028年以降を見据えてもそのまま維持するつもりです。海外取引所の高い利回りやマイナーな銘柄に魅力を感じる人もいると思いますが、私にとっては「新税制の枠内に収まっていること」のほうが、ずっと大きな価値があります。

まとめ:税制は「待つ理由」にも「動く理由」にもなる

暗号資産の20%分離課税は、2028年1月1日からの適用が有力です。法律はすでに成立しており、あとは施行を待つ段階に入りました。

私のように「税制がネックで買い増しを控えてきた」人間にとって、これは素直に大きな変化です。一方で、税率の変化を待つこと自体が投資機会の損失になり得ることも、書いたとおりです。どちらを取るかは、その人の資産状況とリスク許容度次第だと思います。私は「配当金の余剰資金で少しずつ」を続けながら、2028年を待ちます。

私の資産全体の配分は現在のポートフォリオ全公開で公開しています。暗号資産が1%という数字の背景も、そちらで見ていただけます。

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この記事を書いた人

いとこん(@itoconn_oj3)。2008年、リーマンショックの年に100万円で投資を開始。翌年にはFXの強制ロスカットで元本の6割を失い、1年半投資から離れたことも。それでも退場しなかった結果、18年で資産は約7,900万円になりました。

プロフィール 投資歴18年の全記録

※本記事は個人の投資体験と、執筆時点で公表されている税制改正情報に基づく記録です。税制の適用時期・対象範囲は今後変わる可能性があり、個々の状況によっても異なります。実際の税務判断は国税庁の最新情報や税理士等の専門家にご確認ください。特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。詳しくは免責事項をご覧ください。

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