金価格が史上最高値圏でも私が純金積立をやめない理由

金価格が史上最高値圏でも純金積立をやめない理由 記事のアイキャッチ画像 貴金属(金・銀・プラチナ)

金価格が歴史的な高値圏にあります。私の周りでも「金、すごいことになってるね」という話題が出るようになりましたし、「今から買うのは遅いよね?」「持ってる人は利確しないの?」と聞かれることもあります。

私は貴金属投資を始めて5年、現在は資産の13.3%を金・銀で持っています。そして、この高値圏でも毎月の純金積立を止めていません。売ったのは一度だけ、それも「儲かったから」ではなくリバランスのためでした。

今日は、なぜ高値でも積立をやめないのか、私の考えを実体験ベースで書きます。先に断っておくと、これは「金を買うべき」という話ではありません。私がやめない理由の記録です。

私の金投資の現在地

まず現状を開示します。私が保有している貴金属関連は次のとおりです。

  • 純金積立(SBI証券の金・銀・プラチナ口座で毎月コツコツ)
  • 金ETF:IAU(iシェアーズ・ゴールド・トラスト)、1540(純金上場信託)
  • 銀:積立+iシェアーズ・シルバー・トラスト

金の延べ棒や金貨のような現物は持っていません。すべて積立とETFです。2026年6月時点で、金・銀を合わせると資産全体の13.3%。私の資産は約7,900万円なので、金額にするとおよそ1,000万円規模になります。5年前にゼロから始めたことを考えると、我ながらそれなりの比率になったと思います。

積立とETFを併用しているのには理由があります。毎月の積立は「何も考えずに続ける」ための仕組みで、長期のコア。一方のETFは株式と同じように売買できるので、後述するリバランスのような調整がしやすい。同じ金への投資でも、役割を分けて持っています。

そもそもなぜ金を買い始めたか

きっかけは2021年、高橋ダンさんのYouTubeでした。当時の私はコロナショックを預金と国債でやり過ごした直後で、「守りながら増やす」方法を探していた時期です。ダンさんの著書『ゴールド投資』も買って読みました。

心に刺さったのは「現金の価値はインフレで減り続けるから金を持て」という考え方です。銀行預金は数字としては減りませんが、物価が上がれば実質的な価値は目減りしていく。その目減り分を守る手段として、何千年も価値を保ってきた金を一定割合持つ。この理屈に納得して、米国ETFへの分散投資と同じタイミングで純金積立を始めました。

実際、この5年で「現金の価値が減る」は理屈ではなく生活の実感になりました。電気代も食料品も上がり、同じ1万円で買えるものは明らかに減っています。金を持つ理由を人に説明するとき、5年前は本の受け売りでしたが、今は自分の家計簿を見せれば済む。皮肉なものですが、インフレが金を持つ意味を証明してくれた5年間でした。

正直に言うと、始めたときは「守りの資産」として買ったのであって、金価格がここまで上がることはまったく想定していませんでした。この話は後半でもう一度触れます。

ちなみにダンさんの「金以外のコモディティも持て」という主張にも影響を受けて、銀の積立とエネルギー関連ETF(XLE)も少しだけ持っています。銀は金より値動きが荒く、同じ貴金属でもかなり性格が違うというのが5年やった実感ですが、この話は長くなるので別の記事で書くつもりです。

やめない理由①:金は「増やす資産」ではなく「守る資産」だから

高値だから売る・買わないという発想は、金を「値上がり益を取る資産」として見たときのものです。私の金の位置づけは違っていて、ポートフォリオ全体を守るクッションです。

これは理屈ではなく、実体験があります。2024年8月5日、日経平均が1日で4,451円下落した歴史的な暴落の日、私の資産は一晩で約850万円減りました。このとき、株式ETFが軒並み沈む中で、暴落前から持っていた金だけがほとんど下がらず、資産全体の下落を明確に和らげてくれました当時の記録はこちら)。

私はこの経験を機に、株の比率を約7割から45%前後まで下げ、金・銀を13%まで引き上げました。株と金は違う動きをする。だから株が主力である限り、金は高かろうが安かろうが「保険」として持ち続ける。これが私の中の一番大きな理由です。保険を「今は高いから」という理由で解約する人はいないと思います。

暴落を経験する前の私は、金の「守り」の効果を本やYouTubeの知識として知っているだけでした。実際に自分の資産が一晩で850万円減る場面で、金の部分だけが静かに踏みとどまっているのを見たとき、初めて腹の底から理解できた気がします。あの夜以来、私にとって金は「上がったら嬉しい資産」ではなく「下がった日に効く資産」になりました。

やめない理由②:積立は「価格を当てにいかない」仕組みだから

「高値で買うのは損では?」という感覚は自然なものです。でも、それは「今が高値かどうか、自分には分かる」という前提に立っています。私には分かりません。5年前、金を買い始めたときの価格ですら「もう高い」と言う人はいました。そこから金は大きく上がりました。

毎月同じ金額で積み立てるという方法は、この「分からない」を前提にした仕組みです。高いときには少なく、安いときには多く買うことが自動的に行われる。積立を止めて「下がったら再開しよう」と考えた瞬間、私は価格を予想するゲームに参加することになります。15年の投資経験で学んだのは、私はそのゲームが下手だということです。だから仕組みに任せています。

それに、仮に「下がったら再開」がうまくいったとしても、得られるのはわずかな買値の差です。一方で失うものは大きい。一度止めた積立を再開するには、また判断と決断が要ります。私の経験では、投資で一番むずかしいのは「始めること」と「再開すること」で、一番かんたんなのは「何もせず続けること」です。続けることが簡単な状態を、わざわざ壊す理由がありません。

私は株式でも同じ考え方をしています。新NISAで米国ETFを買い続けているのも、高値圏だから止めるということはしていません。金だけ特別扱いする理由もない、というのが実際のところです。

やめない理由③:売るのは「儲かったから」ではなくリバランスのときだけ

実は私は、金を売ったことが一度あります。保有していた金ETFのGLDを、金価格の上昇で貴金属の比率が想定より大きく膨らんだタイミングで売却しました。

ただしこれは「高くなったから利確した」のではありません。金が上がりすぎてポートフォリオに占める割合が目標を超えたので、割合を戻すために一部を売った。いわゆるリバランスです。売って得た資金は他の資産に回りました。

この「売る理由をあらかじめ決めておく」というルールは、私にとってとても重要です。価格を見て売り買いを判断し始めると、感情に振り回されます。「比率が目標から大きくズレたら戻す」だけなら、判断に感情が入る余地がありません。積立で買い続け、増えすぎたらリバランスで削る。この繰り返しです。

ちなみに、売却するならETFのほうが向いています。積立で貯めた分はコアとしてそのまま置いておき、調整はETFで行う。積立とETFを併用している理由のひとつはここにあります。GLDを売ったときも、毎月の積立そのものには一切手を付けませんでした。「積立は止めない、調整はETFで」と役割を分けておくと、リバランスのたびに積立を続けるかどうか悩まずに済みます。

正直な話:「ここまで上がるとは思っていなかった」

ここまで理屈を書いてきましたが、正直な気持ちも書いておきます。金価格がここまで上がるとは、私はまったく思っていませんでした。

私は金の強気派だったから買ったのではありません。「インフレから資産を守る保険」として、上がらなくてもいいつもりで買い始めました。結果として大きく上がったのは、私の見立てが良かったのではなく、ただの幸運です。ここを取り違えて「自分は相場が読める」と思い始めると危ないというのは、FXや個別株で散々学んだことです(その失敗談はこちら)。

だから今後、金が下がる局面が来ても、私は驚かないつもりでいます。守りの資産として買った以上、価格が下がっても保険としての役割は変わりません。むしろ株が好調で金が軟調なら、それはそれでポートフォリオ全体としては悪くない状態です。

「今から始めるのは遅いですか?」と聞かれたら

この質問には、私は答えを持っていません。今が高値の天井なのか通過点なのか、分からないからです。

ただ、ひとつだけ言えるのは、私自身が5年前に「今さら感」の中で始めて、「上がらなくてもいい保険」のつもりで積み立ててきた結果が今だということです。もし私が5年前に「もう高いからやめておこう」と判断していたら、2024年8月の暴落で金のクッションを体感することも、資産の13%を守りの資産で固めることもできませんでした。

買うか買わないかは価格で決めるのではなく、「自分のポートフォリオに守りの資産が必要かどうか」で決める。私が5年やって行き着いたのは、そういう順番です。

まとめ

金価格が史上最高値圏でも私が積立をやめない理由は、次の3つです。

  • 金は「増やす資産」ではなく「守る資産」。2024年8月の暴落で実際にクッションになった
  • 積立は価格を当てにいかない仕組み。止めた瞬間、自分は「予想するゲーム」に戻ってしまう
  • 売るのはリバランスのときだけ、とルールを決めている。GLD売却もその一環だった

そして正直な話、ここまでの上昇は想定外の幸運でした。だからこそ、幸運を実力と勘違いせず、これからも同じペースで淡々と積み立てていくつもりです。

関連記事

※本記事は個人の投資体験の記録であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。資産額は概算であり、正確な数値は伏せています。投資は自己責任でお願いします。詳しくは免責事項をご覧ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました