銀投資の現実|金との違い、5年やった本音

銀投資の現実(金との違い)記事のアイキャッチ画像 貴金属(金・銀・プラチナ)

金の話は何度か書いてきましたが、実は私は銀にも5年前から投資しています。同じ時期に少額ですがプラチナも積み立てています。金ほど話題になることは少ない銀・プラチナですが、同じ貴金属でもまったく別の顔を持つ資産だというのが、5年やった率直な感想です。今日は銀を中心に、正直に書いておこうと思います。

銀を始めた理由:金と同時に、同じ理屈で

2021年、高橋ダンさんのYouTubeがきっかけで金の積立を始めたとき、私は銀・プラチナも同時にスタートしています。「現金の価値はインフレで減り続けるから、実物資産を持て」という理屈は、金だけでなく銀・プラチナにも当てはまると考えたからです。SBI証券の金・銀・プラチナ口座でこの3つを同時に積み立て始め、海外ETFのiシェアーズ・シルバー・トラストも保有しています。

当時の私にとって、銀とプラチナは「金の劣化版」くらいの位置づけでした。金より価格が安く、同じ貴金属だから似たような値動きをするだろう、くらいの軽い理解です。この認識は、5年経った今ではかなり修正されています。

金と銀、5年間の違いを数字で

プラチナ
2021年からの値動き大きく上昇(純金積立の価格は5年で約4倍)金以上に上昇(同時期に買った金より値上がり率が高い)金と同方向だが銀ほどではない
主な買われる理由インフレ・通貨価値への不安金と同じ理由+工業(太陽光・電子部品等)需要工業需要(主に自動車の排ガス触媒)が中心
私の保有比率金・銀・プラチナ13.3%のうち大部分金より小さめごく少額
体感の値動きの荒さ比較的穏やか金より明らかに荒い銀よりさらに荒い

金は5年でおおよそ4倍になり、純金積立をしていた私自身が「まさかここまで上がるとは」と驚くほどの上昇でした。ところが5年間の記録を見返して一番驚いたのは、同じタイミングで買った銀のほうが、値上がり率では金を上回っていることです。「銀は金のオマケ」くらいに考えていた当初の認識は、数字の上でも完全に裏切られました。

いとこん
いとこん

金が4倍でも驚いたのに、銀はそれ以上でした。地味な資産だと思っていたので、この結果は今でも意外です。

5年やって分かった「金との違い」①:値動きの荒さ

銀は金より値動きが荒い、というのが最初に体感した違いです。同じようなニュースに反応しているはずなのに、銀の方が上下の振れ幅が大きい。金が1%動くとき、銀は2%、3%動くことも珍しくありません。

この性質は「ハイベータな金」と呼ばれることがあるそうですが、実際に保有してみると、含み損益の変動を見ているだけで金より疲れます。守りの資産として金を持っているつもりでも、銀の部分だけを見ると、守りというより攻めに近い値動きをしている日もあります。

5年やって分かった「金との違い」②:工業需要という別の顔

もうひとつの違いは、銀には金にはない「工業用需要」があることです。銀は太陽光パネルや電子部品など、幅広い工業製品に使われています。つまり銀の価格は、金のような「守りの資産としての需要」だけでなく、景気や産業動向にも左右されます。

これが何を意味するかというと、銀は「守りの資産」と「景気敏感な資産」という、本来相反する2つの性格を同時に持っているということです。景気が悪化すると守りの需要で買われる一方、工業需要の落ち込みで下押しされる。逆に好景気なら工業需要で買われる一方、守りの需要は後退する。このねじれた性格のせいで、金以上に「なぜ動いたのか」が分かりにくい資産だというのが実感です。

2024年8月の株暴落の夜も、この違いを実感した場面のひとつでした。あの日、金は暴落前から保有していた分がほとんど下がらず、資産全体のクッションになってくれました(当時の記録はこちら)。一方で銀は、金ほど安定したクッションにはなりませんでした。株安と同時に景気減速懸念が広がると、工業需要の先行き不安から銀にも売りが出やすくなるからです。「暴落の日に頼れるのは金であって、銀はそこまで頼りにならない」というのが、あの夜に得た実感でした。

プラチナも実は少額保有している

ここで一つ訂正しておきます。以前純金積立の記事で「プラチナは買っていない」と書きましたが、正確には金・銀と同じ2021年から、ごく少額ですがプラチナも積み立てています。当時の説明では触れず、実質「ないもの」として扱ってきましたが、これは私の説明不足でした。

プラチナを積立の中心に据えなかった理由ははっきりしています。プラチナは銀よりもさらに工業需要(主に自動車の排ガス触媒)の影響が大きく、「守りの資産」としての性格が薄いと感じているからです。金・銀のように歴史的に「価値保存の手段」として扱われてきた実績が、プラチナにはほとんどありません。

それでもゼロにせず少額だけ積み立てているのは、貴金属全体を「特定の1銘柄に賭ける」のではなく、性格の違う複数の実物資産に分けて持っておきたいという考えからです。金が守りの本体、銀がやや攻めのスパイス、プラチナはさらにその外側にある実験的な枠、というイメージです。金額としては銀よりもさらに小さく、なくなっても資産全体への影響はほぼありません。

いとこん
いとこん

「持っていない」と言い切るには量が少なすぎて、記事にするほどでもないと思っていました。でも実際は持っている以上、正確に書くべきでした。

積立を続けるか、一括で終わりにするか

金と同様、銀も毎月同じ金額を積み立てる方式で買っています。5年やって荒い値動きを体感した今だからこそ言えるのですが、銀のような値動きの荒い資産こそ、積立との相性がいいと感じています。

一括でまとまった金額を入れていたら、この5年で何度も「今売るべきか」「押し目はどこか」と悩まされていたはずです。毎月淡々と買い続ける仕組みにしていたおかげで、値動きの荒さはむしろ「安いときに多く買えている」というプラスの材料として受け止められました。荒い値動きの資産ほど、積立という仕組みで持つ意味が大きい。これも5年やって学んだことです。

金・銀・ビットコインの共通点と違い

少し話が広がりますが、私が2021年にビットコインを買うきっかけになったのは、金で学んだ「希少性」という物差しでした(その経緯はこちら)。金・銀・ビットコインは、どれも「発行量が無限に増えない」という共通点を持つ資産です。

ただ、5年間3つとも保有してみて分かったのは、共通点があるからといって同じように扱えるわけではないということです。金は守りの資産としての実績が最も長く、値動きも比較的穏やか。銀は同じ希少性を持ちながら工業需要という別の変数が加わり、値動きが荒くなる。ビットコインはさらに歴史が浅く、値動きの荒さは銀の比ではありません。「希少性」という共通の物差しは資産を理解する入口にはなりますが、そこから先の性格はそれぞれまったく別物として扱う必要がある、というのが3つを持ってみた実感です。

銀を保有していて一番驚いたこと

5年間で一番驚いたのは、銀のニュースがとにかく少ないことです。金価格が最高値を更新すればニュースになりますが、銀が同じように大きく動いても、ほとんど話題になりません。個人投資家向けの情報も、金に比べると圧倒的に少ない印象です。

これは裏を返せば、銀は情報を集めにくい資産だということでもあります。値動きの理由を知りたくても、金のように解説記事がすぐに見つかるわけではありません。だから私は、銀単体で相場を読もうとするのをあきらめました。工業需要と金への追随、大きくはこの2つの力で動いているとだけ理解して、細かい値動きの理由を追いかけるのはやめています。分からないものを分かったふりで扱わない、というのも5年間で身についた姿勢です。情報が少ないなら、情報がなくても崩れない持ち方をするしかない、というのが結局のところの結論です。

銀は資産のどのくらいを占めているか

現在、金・銀を合わせて資産全体の13.3%です。この中で銀が占める割合は、金よりかなり小さくしています。理由はここまで書いてきた値動きの荒さです。守りの資産の中でも、より荒れやすい部分は控えめに、というのが今のバランス感覚です。

今後この比率を大きく変える予定はありません。銀を「金の代わり」ではなく「金とは別の性格を持つ小さな枠」として持ち続ける、というのが5年やって行き着いた結論です。

比率を決めるときに意識しているのは、「銀がゼロになっても金融資産全体としては大した影響がない」量に抑えることです。金は資産全体を守る役割を担っているので、金の比率を削ってまで銀を増やすことはしません。銀はあくまで、金という守りの土台の上に乗せる小さなスパイスのような位置づけです。

これから銀を始める人へ

もし銀に興味を持った方がいたら、私からのアドバイスは「金より先に手を出さないこと」です。銀は金より値動きが荒く、理由も分かりにくい。守りの資産としての土台を先に金で作ってから、その一部を銀に振り分ける順番のほうが、精神的な負担は小さいと思います。

逆に「値動きの荒さを楽しみたい」「工業需要という別の切り口で貴金属に投資してみたい」という方には、銀は面白い資産だと思います。ただしその場合も、生活に響かない金額に抑えることは、他のどんな投資でも変わらない大前提です。地味に見えて、扱いを間違えると案外手を焼く資産、それが5年やった私の銀に対する評価です。

貴金属をこれからも持ち続ける理由:インフレへの強さ

ここまで銀の値動きの荒さや分かりにくさを正直に書いてきましたが、それでも金・銀・プラチナを手放すつもりはありません。理由はシンプルで、貴金属はインフレに強いという、投資を始めた2021年当初の理屈が、この5年でむしろ実感として強まったからです。

現金や預金は、額面は減らなくても物価が上がれば実質的な価値は目減りします。株式もインフレに強いとされますが、金融引き締めや景気後退が重なると株安とインフレが同時に進む局面もあり得ます。その点、実物資産である貴金属は、通貨の価値が信認を失うほど相対的に価値が意識されやすいという性質があります。この5年の値上がりは、その理屈が机上の空論ではなかったことを、私自身の資産を通じて証明してくれたと感じています。金が史上最高値を更新した今も積立をやめない理由はこちらの記事に書きましたが、同じ理屈は銀・プラチナにも当てはまります。

だからこそ、銀の値動きの荒さも、プラチナの工業需要という分かりにくさも、「守りの資産の一部を担う」という役割を否定する理由にはなりません。これからも金を中心に、銀・プラチナを小さな枠で持ち続ける方針です。

まとめ:銀は「金のミニ版」ではなかった

始める前の私は、銀もプラチナも金の廉価版くらいに考えていました。5年経った今の結論は、銀もプラチナも金とは別の理由で値動きする、まったく別の資産だということです。値動きの荒さと工業需要という2つの性質のせいで、金のようにシンプルな「守りの資産」としては扱いにくい、というのが正直なところです。

それでも保有をやめないのは、少額であれば分散の一部として悪くないと感じているからです。金だけでは得られない値動きのパターンを、小さな枠で持っておく。銀への投資は、私にとってそういう位置づけに落ち着きました。派手さのない資産ですが、派手さがないこと自体が、5年続けられた理由なのかもしれません。

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※本記事は個人の投資体験の記録であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。資産額は概算であり、正確な数値は伏せています。投資は自己責任でお願いします。詳しくは免責事項をご覧ください。

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